蝋引き紐マクラメのお役立ちコラム

マクラメとは

マクラメとは

 
マクラメ(Macrame/macramé)
1.結ぶこと、編みこむことで装飾・模様が生まれる編み方の技法のこと。
2.装飾的にひもを結んでものづくりをするクラフト全般のこと。
3.南米で伝統的に受け継がれる石や木と紐を合わせて作る装飾アクセサリー。



 

マクラメの発祥


マクラメの定義、「装飾的にひもを結ぶ」ことがどの地域で発祥したかということは、はっきりはしていません。

中世に世界の最先端を誇っていたイスラム文化圏で発展し、アラビア人によってイタリア(スペインという説も)に伝えられて、ヨーロッパ各地で独自の発展をとげていった、という流れで広まっていったとされています。
arabia

さらにマクラメは大航海時代以降、人とモノの移動にともなってスペインからメキシコへ、フランスからカナダのネイティブアメリカンへ、ジェノバからアメリカや南米へ…このように各地へ広がっていったとされます。

16〜17世紀のヨーロッパでは女性の衣服の装飾としてマクラメが流行。

18世紀のヴィクトリア朝時代のイギリスでは、王妃が宮廷の女性たちに教えたことがきっかけで大流行。細い糸で結ぶ繊細なマクラメの装飾をつくることが、貴婦人のたしなみとされました。

普及されるうちにマクラメという言葉も、アラビア語からフランス語になり、フランス語から英語になって、世界中で通用するものとなりました。今では英語、フランス語、イタリア語、プルトガル語、スペイン語などどの言語でもほぼ共通のスペル「Macrame/macramé」が使われています。

また、装飾の大小を問わず「ひもを結んでものづくりをする」こともマクラメの根底と捉えると、結ぶ・組む・編むという作業は古くを遡ると人間が道具を使い始めたころまで行きつくと考えられます。

紐を編むことにより、装飾が生まれる。その装飾が生まれたことを神の所業として祈り、崇め、感謝する。それを親から子へ、子から孫へと代々伝えてゆく。

そのような伝承が世界各地で自然と生まれ、各地域の風土や文化のなかで培われてきたのではないか。

実際に没頭して編んでゆくと、遠く、はるか遠くと繋がるような懐かしく暖かいノスタルジックな感傷に浸ることがあるのは、私だけでしょうか。
 


 

日本とマクラメ


日本でも縄文時代の遺跡から、植物のつるで組んだ組ひもや腕輪が出土しています。

古来より万物すべてのものには神(八百万の神)が宿るという独自の信仰心が芽生えていた日本では、結んでできあがった紋様に対しても神が宿るものと捉え、天災を防ぎ五穀豊穣を祈る魔除け・呪術具として神格化しました。

天平時代の美術工芸品を収蔵する国宝、「正倉院」にも聖武天皇の御物(ぎょぶつ)として結び紐がまつられています。
正倉院

戦国時代では鎧をつなぐ紐の端にも結びで装飾性がもたされてました。

道具を使い始めた縄文時代以来、どの時代でもひも状のものを結ぶ、組む、編む、そしてそれに装飾性をもたせることがなされてきました。さらにどの時代においてもその装飾には意味・願いが込められていました。

手芸としてのマクラメが楽しまれるようになったのは西洋文化が一気に流れ込んだ明治時代から。

以来、昭和のはじめ、第二次大戦後、1980年と何度かブームをへて現在にいたっているそうです。1993年、Jリーグ発足の時のミサンガの大流行はまだ記憶に新しいところです。

2010年頃からは天然石・パワーストーンと合わせた南米流の「マクラメアクセサリー」が広くパワーストーンとハンメイドファンの心をとらえています。

写真) 東京国立博物館


 

南米のマクラメアクセサリー


南米の少数民族、インカの末裔とされるケチュア族などの間では天然石や樹木をマクラメの技法で装飾したものが伝統的に受け継がれているそうです。
蝋引き紐

日本にも見られたように、南米でも古くは神聖な儀式の呪術具などに用いられるなど、その装飾には意味や願いが込められていました。

ペルーの首都・リマでもマクラメアクセサリーを路上で制作しつつ販売している方が多くいらっしゃるそうです。

南米を旅する日本人の旅人・バックパッカーもマクラメに魅了され、その技法を現地で学ぶ方が多いと聞きます。

日本に帰国後もマクラメ作家として制作活動にあたり南米のマクラメアクセサリーを日本に普及しています。

写真) 中南米専門の旅行会社『アンディーナトラベル』 様


 

貴石工房パックとマクラメ


最後に私たちとマクラメ・オリジナル蝋引き紐との出会いについて触れたいと思います。

1998年にオープンした天然石・パワーストーンの専門店『貴石工房パック』。当初から『創る』をコンセプトに、天然石ビーズの手作りアクセサリーを制作・販売してきました。

蝋引き紐に出会ったのは2006年頃。当初出回っていたタイ産やイタリア産の蝋引き紐では天然石ビーズが入りにくく、パートナーと何度も失敗しながらビーズが通る蝋引き紐を開発してきました。

2009年、オリジナル蝋引き紐が完成。2010年に貴石工房パックOnline Shopをオープンし、蝋引き紐とハンドメイドアクセサリーを販売してきました。

初めは平結びやねじり編み、つゆ結びの作品ばかりだった当店も、スタッフ各々が独学で学んだ技術知識をもちより、少しずつ技術と感性を向上させていきました。

日本の伝統色の紐、世界各地の天然石を使って、私たちらしい繊細であたたかいマクラメアクセサリーをこれからも制作していきたいと思います。 パックとマクラメ

 

参考書籍

日本マクラメ普及協会 (監修), メルヘンアートスタジオ (編集)
マクラメパターンブック 結んでつくるフォークロア・デザイン』グラフィック社,2011




 
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